カテゴリー: コラム

  • 中小企業の人的資本経営を止めるのは「お金」と「時間」|3軸で進める実践法

    中小企業の人的資本経営を止めるのは「お金」と「時間」|3軸で進める実践法

    「人的資本経営に取り組みたい。でも、そんな余裕がない」

    地方の中堅・中小企業の経営者様から、私どもが最も多くいただくお言葉です。

    結論から言えば、中小企業の人的資本経営が進まない最大の原因は、人材面の課題だけでなく、人材に投資するための「お金」と「時間」に余裕がないことにもあります。

    研修を組みたくても、その原資がない。育成に時間を割きたくても、経営者も管理職も日々の業務に追われている。この状態でいくら人事施策だけを積み上げても、長続きしません。

    そこで当社が実務でもよく使っているのが、

    「ビジネスモデル」×「AI/IT」×「人材」

    という3つの軸です。本コラムでは、この3軸がなぜ必要なのか、そしてどの順番で手をつけるべきかを解説いたします。

    1. 人的資本経営は「人材課題の解決」だけでは完結しない

    人的資本経営とは、人材を「コスト」ではなく「資本」として捉え、採用・育成・配置・評価・エンゲージメント強化といった施策を通じて、中長期的な企業価値の向上を目指す経営のあり方です。

    言葉だけを見ると、「人材課題を解決すれば良い」と受け取られがちです。しかし、ここには大きな落とし穴があります。

    人材への投資は、無償ではできないということです。

    • 研修を行うには、研修費用と、社員が現場を離れる時間が必要です
    • 評価制度を作り直すには、設計の工数と、運用に耐える管理職の時間が必要です
    • 採用力を高めるには、採用広報への投資と、選考・受け入れに割く時間が必要です

    つまり人的資本経営とは、「人への投資に回せる原資を、経営としてどう捻出するか」という問題とセットなのです。ここを飛ばして人事施策から入ると、最初の数か月は動いても、繁忙期に入った途端に止まります。

    2. 中小企業で人的資本経営が止まる2つのボトルネック

    2-1. ボトルネック①「お金」——利益構造に投資余力がない

    人材投資の原資は、最終的には利益から生まれます。

    薄利多売の受注構造、価格決定権を握れていない下請構造、原価が見えないまま続いている既存事業。こうした状態では、売上が伸びても手元に残らず、人材投資の予算は真っ先に削られます。

    実際、教育訓練の実施状況には企業規模による差が表れています。厚生労働省「能力開発基本調査」(令和3年度)によれば、OFF-JT(業務を離れての教育訓練)を実施した事業所の割合は、従業員30〜49人規模で51.0%、1,000人以上規模で87.2%と、大きな開きがあります。

    これは「中小企業が人材育成に無関心だから」ではありません。やりたくても原資がないという構造の問題です。

    2-2. ボトルネック②「時間」——現場も管理職も手が空いていない

    次のボトルネックが時間です。

    人的資本経営の実務は、そのほとんどが管理職・幹部層の仕事です。1on1、目標設定、評価面談、育成計画、そして社員との対話。いずれも「本人が現場で手一杯」の状態では、形だけの実施に終わります。

    • 見積作成、日報転記、請求処理、シフト調整といった定型業務に管理職が時間を取られている
    • 情報が紙とExcelに分散し、集計のたびに人手がかかる
    • 属人化により、特定の社員が抜けられない

    この状態で「育成に時間を使ってください」とお願いしても、現場からすれば無理な相談です。

    2-3. ボトルネック③「人材」——知識・ノウハウのある人材がいない

    最後に、人材です。

    お金と時間の創出に向けた改善ができる人材がいない、現場業務だけでなくマネジメントを教えられる人材がいない…。中小企業はリソースが限られているからこそ、すべての課題に対応できる人材を揃えるのは困難です。

    特に大きな課題なのが「若手人材」です。採用・育成・定着が難しく、結果的に自社人材の年齢層が40代中心になってしまう…というケースはよくあります。

    つまり、お金と時間の余裕を確保しても、その余裕を正しく活用していかなければ、人材のボトルネックは解消しないということにもなります。

    3. 当社の結論:ビジネスモデル×AI/IT×人材の3軸

    この2つのボトルネックを踏まえると、中小企業の人的資本経営に必要な打ち手は自ずと決まります。

    軸解決するもの主な打ち手
    ビジネスモデルお金の余裕収益構造の見直し、高付加価値化、価格戦略、新規事業、販路拡大
    AI/IT時間の余裕業務プロセスの棚卸、AI・ITツール導入、定型業務の自動化、情報の一元化
    人材付加価値の余裕採用力強化、育成の仕組み化、評価・等級制度、エンゲージメント向上、人的資本開示

    3-1. ビジネスモデル——人に投資できる利益をつくる

    まず、稼ぎ方そのものを見直します。

    同じ労働時間でより高い付加価値を生む構造に変えることができれば、人材投資の原資が生まれます。取引条件の見直し、粗利率の高い商品・サービスへのシフト、既存顧客からの深耕。派手な新規事業でなくとも、利益構造は動きます。

    そして何よりも考えていただきたいのは、「価値を生んでいる業務」と、「価値を生みづらい業務」の見える化です。価値とは「付加価値」のことですが、ここでは意味合いが近い「粗利」に置き換えます。この粗利を生んでいる業務かどうかを見極め、粗利を生んでいる業務に集中することをお勧めします。粗利を産みづらい業務については、AI/ITでご説明します。

    ビジネスモデルの改善は、人材投資の「予算」をつくる仕事だとお考えください。

    3-2. AI/IT——人が人に向き合う時間をつくる

    次に、業務から時間を取り戻します。

    近年、生成AIをはじめとするツールの進化により、中小企業でも現実的なコストで自動化・省力化が可能になりました。書類作成、議事録、問い合わせ対応、データ集計といった領域は、着手すれば比較的短期間で成果が見えます。

    ここで重要なのは、空いた時間を「別の作業」で埋めないことです。捻出した時間を育成・対話・改善に再配分して初めて、AI/IT投資が人的資本経営につながります。

    ちなみに、社内にAI/IT人材がいると省力化・自動化は一気に進みます。最近はそのような人材の育成に活用できる助成金もありますので、うまく活用して投資額を抑えると良いでしょう(当社でもAI/IT人材の育成研修を承っています)。

    また、自社の粗利を生みづらい業務は、AI/ITを活用している外部事業者に委託することをおすすめします。特に外部委託(BPO)しやすい業務は、総務・人事労務・経理と、自社に専門人材がいない場合の採用・広報・マーケティングです。

    AIやITの活用は、人材投資の「時間」をつくる仕事です。

    3-3. 人材——生まれた余裕を、確実に投資へ回す

    ここでようやく、採用・育成・定着・評価といった人事施策が本来の力を発揮します。

    原資と時間が確保された状態で行う人材施策は、継続します。継続するからこそ、社員のスキルとエンゲージメントが積み上がり、それが生産性として返ってくる。この循環が回り始めた状態を、当社は人的資本経営と呼んでいます。

    人的資本経営を進めるには、お金と時間の余裕も大事ですが、人材戦略に沿った採用・育成・定着の取り組みを見える化することも大事です。

    4. どこから着手すべきか——4つの実施パターン

    3軸すべてを同時に動かす必要はありません。自社の状態に応じて、着手順を変えます。

    1. 忙しいのに利益が残らない → ビジネスモデルに重心。ここを放置したまま人材投資を増やすと、資金繰りを圧迫します
    2. 利益は出ているが、現場に時間がない → AI/ITに重心。短期で効果が出やすく、成功体験も得やすい領域です
    3. 時間はあるが、利益が残らない → ビジネスモデルに重心を置きつつ、人材も並行して取り組みます
    4. 利益も時間もあるが、人が採れない・育たない・辞める → 人材に重心。この状態であれば、人事施策が最も早く効きます

    多くの地方中小企業様は、1または2に該当します。つまり「人の課題」として相談に来られる案件の多くは、実は経営全体の課題なのです。

    5. 採用市場では、すでに差がつき始めている

    人的資本経営は大企業を中心に取り組みが進み、中堅・中小企業では遅れているのが実情です。そしてこの差は、採用市場で最も早く表面化します。

    求職者は、企業の情報開示・育成体制・働き方を比較して応募先を選びます。人への投資の姿勢を言語化し、発信できている企業とそうでない企業とでは、応募数そのものが変わります。「募集を出しても応募が来ない」という現象の背景には、待遇以前の情報格差があります。

    着手が遅れるほど、採用という入口で不利になる。これが、私どもが今、地方中小企業様に人的資本経営をお勧めする最大の理由です。

    ちなみに、採用市場で最も苦戦しているのは地場の中堅企業です。株式会社リクルートが実施した「企業人事が感じる人手不足実態調査2025」(https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000001486/)によると、従業員数100名以上400名未満の企業では「人手不足を感じる」と答えた割合が86.0%にも達し、人手不足が顕著であることがデータかも見て取れます。

    だからこそ、今すぐ人的資本経営に取り組む必要があります。取り組みが遅れれば、その分だけ採用・育成・定着で不利になります。不利になるということは、自社に優秀な人材が来なくなるだけでなく、自社の優秀な人材が他社に移ってしまうリスクも大きくなります。

    私たちは、そのような地方の中堅・中小企業の皆さまに向け、人的資本経営のご支援を行っています。最初はどんなご相談でも構いません。「組織がなんとなく後ろ向き」「人の育て方がバラバラ」「仕組み化がうまくいかない」など、個別課題レベルの相談も大丈夫です。ヒアリングを通じて、何が本質的な要因か、そしてどのように進めれば最も効果が高まるかも含め、多面的なアドバイスをさせていただきます。

    6. よくあるご質問

    Q. 従業員20名程度の会社でも人的資本経営はできますか?

    A. できます。むしろ小規模であるほど、経営者の意思決定が現場に届くまでが速く、施策の効果が見えやすいという利点があります。当社自身も役員・スタッフ合わせて10名強の組織であり、自ら実験台となって各種の取り組みを実践しています。

    Q. 開示義務のない非上場企業でも取り組む意味はありますか?

    A. あります。開示は目的ではなく手段です。自社の人材の強みと課題を整理する過程そのものが経営の打ち手になり、採用広報・金融機関との対話・事業承継の場面で効いてきます。

    Q. 何から始めればよいか分かりません

    A. まずは現状の「お金」と「時間」の余力を把握することをお勧めします。ここを見える化するために、当社では無料のご相談も承っております。

    7. まとめ

    • 人的資本経営は、人材課題の解決だけでは完結しないことが非常に多いです
    • 中小企業で取り組みが止まる原因は、投資の原資となる「お金」と「時間」の不足にあります
    • だからこそ、ビジネスモデル(お金)× AI/IT(時間)× 人材(投資) の3軸で進める必要があります
    • 着手順は自社の状態で決まります。多くの場合、入口はAI/ITかビジネスモデルですが、人材も並行して取り組む必要があります

    当社は「経営のワンストップコンシェルジュ」として、人材課題の解決だけでなく、ビジネスモデルの改善やAI/IT導入まで一体でご支援しております。人的資本経営をテーマとした書籍『地方中小企業のための人的資本経営の教科書』の知見と、自社での実践をもとに、地方中小企業の人的資本経営を強力に推進いたします。

    「何から手をつければよいか分からない」という段階で構いません。まずはお気軽にご相談ください。

    まずは相談してみる

  • 「なぜ自社は人的資本の取り組みが進まないのか?」〜それは○○が原因です〜

    「なぜ自社は人的資本の取り組みが進まないのか?」〜それは○○が原因です〜

    2022年ごろから人的資本経営という言葉がにわかに注目を集め、大企業から中堅・中小企業にもその波が押し寄せています。そのような中、感度の高い経営者の方や、自社で人材を核とした経営に取り組みたい経営者の方は、すでに人的資本経営に取り組み始めています。

    しかし、人的資本経営に取り組んでも中々うまくいかないことが多いです。取り組む前は知識・認識・リソースなどのギャップに原因があることが多いですが、取り組み始めてからは別の部分に原因があることが多いです。

    では、人的資本経営に取り組み始めたものの、中々うまく行かない原因とは何でしょうか?

    本コラムでは、その点について詳しく解説します。

    経営者が気づかない、人的資本経営の取り組みにおける大きな落とし穴

    人的資本経営とは、「人材をコストと捉えず、資本と捉えることで、自社の生産性や持続可能性を高める経営の取り組み」であります。この言葉だけ見ると、非常に素晴らしい取り組みであります。ぜひうちの会社でもすぐに取り組みたい、という経営者の方もいらっしゃるかもしれません。

    しかし一方で、人的資本経営の取り組みは非常に高度であり、実現には大きなハードルが待ち構えています。例えば拙著「地方中小企業のための人的資本経営の教科書」にも記載がありますが、知識・認識・リソースのギャップは人的資本経営推進の大きな壁となって立ち塞がります。つまり、人的資本経営に取り組むための知識が十分でない。人的資本経営をいますぐ取り組まなければいけないという認識が十分でない。取り組もうと思っても人材やお金の余裕が十分でない。こんな壁がいたるところに存在します。

    このように、知識・認識・リソースは大きな壁となりますが、これ以外にも落とし穴があります。それは「経営者の現状認識」です。

    例えば、当社(戦略デザインラボ)では、クライアント企業のエンゲージメントサーベイ(≒匿名の従業員満足度調査)を代わりに行うことがあります。そうすると、経営者の方が普段認識している「自社」や「経営陣」への満足度とは異なり、目を覆いたくなるような結果となることが珍しくありません。

    これには大きな原因があります。具体的には次のとおりです。

    • 経営者の視点が主観的であり、客観的に物事を把握できていない
    • 経営者に指摘する人がおらず、問題点や課題を見過ごしている
    • 経営者の頭の中にある自社の将来像が共有できていない

    特に「経営者に指摘する人がいない」という点は、多くの企業で共通しています。経営者は会社のトップであり、意識せずとも社内ではヒエラルキーが存在するため、わざわざリスクを冒してまで経営者に指摘する従業員や役員は少ない、ということです。

    人的資本経営の取り組みで最も必要なもの

    ではどのようにすれば良いか。それは「経営者の意識変革」です。

    具体的には、経営者という特権階級であることを一切廃し、社内外の意見に対し耳を傾けることです。中には辛辣な意見も少なくありません。例えば匿名アンケート調査などでは、「うちの会社には何も期待できない」といったような言葉も出てきます。このような意見に対し、目を背けずにしっかりと向き合う必要があります。

    そのためには、今までの「コンフォートゾーン(安全地帯)」から、「フィアゾーン(危険地帯)」へと進むことが大事です。つまり、自社の安全圏に留まっていないで、積極的に社員との面談を行って本音を聞き出す、社外の勉強会などで他社事例を学ぶ、などです。

    このように、人的資本経営に取り組むためには経営者の意識変革が非常に重要な要素を占めます。なぜなら、経営者が変わらずして従業員が変わるわけがないからです。

    実際に私どものご支援でも、1on1面談で経営者への不満が出てくることが非常に多いです。その時の経営者の方の反応としては「そんな不満を吐き出すぐらいならちゃんと仕事しろ」といった感じで、真面目に聞こうとしない方も多いです。

    そのような場合、たまに私から「あなたが真摯に意見を聞かないのであれば、社内の皆さんも聞くわけがないですよ」と強い言葉で意見することもあります。経営者の意識変革は、人的資本経営に取ってそれほど大事な要素なのです。

    まずは自己を変革するために

    自己変革のためには、先ほどの「フィアゾーンへ進む」こともおすすめですが、他にも様々な方法があります。その中で私がお勧めしているのは「コーチングやカウンセリングの技術を学ぶ」です。

    特に心理学などはこれからの経営にとって大事な学びの要素です。心理学を学んでおくと、「質問・傾聴」が自然とできるようになります。経営者の方は自身の想いが強いため、どうしても相手の話を聞かず自分の話を優先する方が多いです。それでは相手も「この人は話を聞いてくれず、一方的に自分のことを話すだけ」と捉えてしまいます。

    人的資本経営では、人を資本とみなすことがポイントです。であれば、何が課題でどのように成長していけば良いのか、その人の話をじっくりと聴き、質問を繰り返し、最善のロードマップを描いてあげることが大事です。

    私も昔は人の話を聴きませんでしたが、今はじっくりと聴き、相手にとってどのような質問を投げかければ成長するかを常に考えています。

    人が集まり、育ち、根付く会社への第一歩

    人的資本経営を進めるために、まずは経営者の意識変革がとても重要だというお話をさせていただきました。その第一歩として、「社内で従業員に声をかける機会を増やしてみる」ことを実施してみてください。思わぬ声を拾うことも多いはずです。

    そして、自社の課題が「経営者にある」場合は、いつでも私たちにご相談ください。人的資本経営の取り組みを内部だけで進めようとすると、かなりの確率で失敗します。なぜなら、社内からは変革につながる意見や取り組みがほとんど出てこないからです。

    私どもの会社も、常にインターンシップの学生や外部専門家が参画しており、非常に多様性のある会社になっています。この多様性が意識変革にとて非常に大事な要素となりますので、自社だけで問題を解決しようとせず私どものような外部の知見もぜひご活用ください。

    ご相談はこちら

  • 人的資本経営、何から進めれば良いの?…にお答えします

    人的資本経営、何から進めれば良いの?…にお答えします

    「人的資本経営」という言葉、最近ニュースやビジネス誌で皆さまもよく見かけるのではないでしょうか。しかし、地域の中堅・中小企業の経営者様の多くは、少し複雑な思いでこの言葉を見ているのではと思われます。

    「大企業の話だろう」 「うちは人事部すらないのに、そんな余裕はない」 「重要性はなんとなく分かるが、具体的に何から手を付ければいいのか分からない」

    もしそのように感じられたとしても、それは無理もないことです。日々の業務に追われる中で、目に見えにくい「人」への投資を戦略的に行うことは、非常にハードルが高く感じられるからです。

    しかし、その上で断言します。人的資本経営こそ、リソースの限られた中小企業が生き残るための「唯一の生存戦略」なのです。本コラムでは、株式会社戦略デザインラボの実践事例とノウハウに基づき、中小企業がどのように人的資本経営の一歩を踏み出せばよいのか、その具体的な道筋をお伝えします。

    なぜ今、中小企業に「人的資本経営」が必要なのか

    まず、現状の厳しさを直視する必要があります。多くの中小企業経営者様が肌で感じていらっしゃる通り、経営課題のトップは「人」にあります。

    実際に企業の声を分析すると、経営課題の上位4つのうち、実に3つが人材に関する課題で占められているというデータがあります。具体的には「とにかく人手が足りない」「採用してもすぐに辞めてしまう」「リーダーが育たず組織の生産性が上がらない」といった悲痛な叫びです。

    さらに恐ろしいのは「黒字廃業」のリスクです。利益が出ているにもかかわらず、深刻な人手不足や後継者不在によって事業継続を断念せざるを得ないケースが急増しています。また、人材確保のために賃上げは不可欠ですが、それを上回る生産性の向上が伴わなければ、経営は圧迫される一方です。

    かつてのように企業が労働力を「選ぶ」時代は終わりました。これからは、企業が働き手から「選ばれる」時代です 。人材をコスト(費用)ではなく、投資すべき「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出す経営への転換。それこそが、これらの危機を回避する唯一の道なのです。

    立ちふさがる「3つの壁」と、その乗り越え方

    では、なぜ多くの企業で取り組みが進まないのでしょうか。そこには3つの大きな壁が存在します。

    一つ目は「知識のギャップ」です。部分的に研修などを実施していても、網羅的・体系的に取り組めていないケースです 。

    二つ目は「認識のギャップ」です。重要性は頭で分かっていても、目先の売上などと比べて緊急性が低いと判断し、後回しにしてしまう心理的な壁です 。

    そして三つ目が「リソースのギャップ」です。人、モノ、カネ、時間といった余裕がなく、継続的な取り組みが難しいという物理的な壁です 。

    これらの壁を自社だけの努力で乗り越えるのは容易ではありません。しかし、正しい手順(ロードマップ)を知ることで、着実に前に進むことができます。

    取り組みを進めるための「6つのステップ」

    人的資本経営を体系的に進めるためには、拙著『地方中小企業のための人的資本経営の教科書』でも提唱している、以下のステップに沿って進めることが推奨されます。

    ステップ0:経営戦略との紐付け

    これが最も重要です。単に福利厚生を良くするということではありません。会社の「経営戦略」を実現するために、どのような人材に来てほしいか、育ってほしいか、定着してほしいかを定義することから始まります。

    ステップ1:ゴールの設定(To-Be)

    会社が目指す理想の姿を明確にします。例えば、「5年後に地域で知名度No.1になる」「10年後に地域課題を解決する複合体になる」といったビジョンです。そのビジョンに向け、どの役職・部門にどのような人材が必要になるのかを、見える化してみましょう。

    ステップ2:現状の見える化(As-Is)

    理想に対して、今の自社はどうなっているかを直視します。従業員の年齢構成、離職率、エンゲージメント(働きがい)の状態などを数値化して把握します。難しいようでしたら、採用・育成・定着のそれぞれにおける現状を箇条書きにしてみると良いでしょう。

    ステップ3:ギャップ分析と課題特定

    理想と現実の間にある「ギャップ」こそが、取り組むべき経営課題です。何が原因(今の状況を引き起こしている本質的な問題)で、何が課題(原因をもとに、これから何に取り組まなければいけないのか)を明らかにする必要があります。

    ステップ4:人材戦略の策定

    特定された課題を埋めるための戦略を立てます。採用を強化するのか、今いる社員の育成に力を入れるのか、あるいは定着率を高める施策を打つのかを決定します。

    ステップ5:アクションプランの策定

    戦略を具体的な行動計画に落とし込みます。アクションプランは「実行可能」な状態まで具体化することが大事です。いつ、どこで、誰が、誰と、何を、どのように、いつまでにが具体化できていると、実効性のあるアクションプランとなるでしょう。

    ステップ6:PDCAおよび人的資本開示レポート作成

    計画を実行した後に振り返りを行い、その結果を社内外に公表します。公表に際しては「人的資本開示レポート」が最も良い手段です。特に第三者の目を入れながら作成すると、客観性・信頼性のあるレポートとなります。

    従業員10名の会社でもできる! 戦略デザインラボの実践事例

    「手順は分かったが、やはり大企業向けの話ではないか?」 と思われるかもしれません。しかし、私ども株式会社戦略デザインラボでは、人的資本経営の取り組みを数多く実施しています。

    当社は役員・スタッフ合わせても10名強という規模ですが、「経営のワンストップコンシェルジュ」を掲げ、自らも実験台となって様々な取り組みを行っています。

    特に注目すべきは、トップダウンではなくスタッフの声から生まれた制度が多い点です。その代表例が「親子出社制度」です 。子育て中のスタッフが働きやすいよう、子供と一緒に職場に来て仕事ができる環境を整えました 。これは、従業員の多様なライフスタイルを尊重し、働きやすさを追求する「ダイバーシティ&インクルージョン」の具体的な実践と言えます。

    また、人材育成においては「週1回の社内勉強会」や「年2回の全体研修」を継続的に実施しており、学びと成長の機会を全員に提供しています。さらにユニークなのは、コンサルティング事業だけでなく、バルーンギフト事業も行っており、スタッフは自身の強みや生活に合わせて柔軟に活躍の場を選択できることです。

    これらの取り組みの結果、同社の従業員アンケート(エンゲージメント調査)では、「働きやすい環境」で4.5点、「人事評価・キャリア形成」で4.45点(5点満点)という高いスコアを記録しています。これは、規模が小さくても、経営陣が本気で向き合えば、従業員の働きがいは確実に向上することを示しています。

    「人的資本開示レポート」がもたらす4つのメリット

    人的資本経営に取り組んだら、その内容を「人的資本開示レポート」として社外に発信することを強くお勧めします。これは上場企業だけの義務ではありません。中小企業が自発的に開示することで、以下の4つの大きなメリットが得られます。

    一つ目は「自社のブランド力の向上」です。「人を大切にする会社」としての姿勢を明確に示すことで、顧客や取引先からの信頼感が高まります。

    二つ目は「社内エンゲージメントの向上」です。 会社が従業員のために何に取り組んでいるかを可視化することで、社員の帰属意識やモチベーションが高まります。レポート作成プロセス自体が、経営陣と社員の対話のきっかけにもなります。

    三つ目は「経営の改善ツールとしての活用」です。 レポートを作るためには、自社の現状を数値化(見える化)する必要があります。これにより、感覚的な経営から、データに基づいた客観的な経営へと脱皮することができます。

    四つ目は「ステークホルダーからの信頼性の向上」です。 金融機関や地域社会に対し、透明性の高い経営を行っていることをアピールでき、融資や連携などの面で有利に働く可能性があります。また、採用活動においても、求職者に対して「安心して働ける会社」であることを強力にアピールする材料になります。

    3年後ではなく、「未来への投資」を今すぐに

    人的資本経営は、一朝一夕で成果が出るものではありません。しかし、だからこそ「今」始める必要があります。「忙しい」を理由に先送りにすれば、3年後には手遅れになっているかもしれません。

    まずは、自社の経営戦略と人材戦略が紐づいているか、経営者様ご自身が問い直すところから始めてみてはいかがでしょうか。そして、もし自分たちだけで進めるのが難しいと感じたら、専門家の伴走支援を活用するのも賢明な判断です。

    株式会社戦略デザインラボでは、戦略策定から実行、そしてレポート作成までをワンストップで支援しています 。自社で実践し、成果が出ているノウハウに基づいた「血の通った支援」が可能です。

    人材への取り組みは「コスト」ではなく、企業の未来を創るための「投資」です 。 「人が集まり、育ち、根付く会社」へ。 貴社の未来を変える一歩を、今日から一緒に踏み出しましょう。

    人的資本経営に関するご相談、人材課題(採用・育成・定着)に関するご相談、そして人的資本経営に取り組む前の経営改善に関するご相談まで、お気軽にお問い合わせください。初回訪問によるヒアリング・見える化は無料で実施させていただきます。

    ご相談はこちら

    地方中小企業のための人的資本経営の教科書

    著者:株式会社戦略デザインラボ 代表取締役 中小企業診断士 岡本洋平

  • 最低賃金引き上げでどうなる? 優秀な人材を確保するための採用戦略

    最低賃金引き上げでどうなる? 優秀な人材を確保するための採用戦略

    中小企業診断士の岡本です。

    2025年10月3日から、全国で一斉に最低賃金の引き上げがありました。当社が位置する長野県において、従来の998円から1,061円へと、大幅に最低賃金が引き上げられました。

    これに伴い、地域中小企業側は対応に苦慮しています。それもそのはず、物価高による原材料高騰の影響も残る中、賃上げにも対応しなければいけないからです。

    今回は、最低賃金の引き上げで今後何が起こるか、そして地域の中小企業はどのように対応していけば良いか、をお伝えします。

    最低賃金の全国大幅引き上げで起こる変化

    まず、最低賃金の大幅引き上げにより起こる変化を考えてみましょう。

    長野県では、最新の有効求人倍率が1.24倍となり、昨年から徐々に低下しております。これは最低賃金引き上げ前の8月の数字であることから、おそらく9月と10月はさらに低下することが予想されます。

    この要因は2つあります。

    1つは、前述の通り物価高などコスト高によるものです。仕事はあるものの、コスト高により儲かる構造が作れない。つまり、ここに人を採用する決断が難しいため、求人に踏み切れないという悩みです。

    もう1つは、人材確保を諦める動きです。つまり、仕事が忙しくなっても今の人員体制で回せるよう、自動化・省力化を進める流れです。実は9月ごろから、こういった会社が徐々に増えてきております。

    この流れは長野県だけでなく、全国で共通すると考えられます。つまり、今後は有効求人倍率が大きく高まることはなく、横ばいか徐々に下がるのではないかと予想できます。

    求職者の質についての検証

    しかし、有効求人倍率は1倍を超えている限り、市場は売り手市場ということになります。すなわち、上記のような流れになっても「人手不足」は根本的に解決されず、慢性的に企業を悩ます要因となります。

    では、肝心の求職者の質はどうでしょうか。当社は採用支援で多くの実績があり、データも豊富ですので、その辺りのお話をさせていただきます。

    現在は求人媒体として様々なサービスがあります。ハローワーク、民間求人媒体(Indeed、engage、ジョブズゴーなど)、人材紹介、転職サービスなど、実に多くのサービスが存在しています。

    この中で「求職者の質」だけ考えると、人材紹介が最も高いと考えられます。なぜなら、社会人としてキャリアをしっかり積んできた人が多いからです。しかしその分費用がかかることに加え、自社に適した人材であるかどうかを見極めるのが難しいです。

    では民間求人媒体はどうでしょうか。従来は当社でもこれらの媒体を使うことをお勧めしていましたが、最近は質の低下が非常に目立ちます。応募自体は見込めますが、「社会人としてちゃんとした人」が来るかどうかは、本当にタイミング次第となります。

    最後にハローワークです。求人ではオールド媒体のように考えている経営者さんもいらっしゃいますが、ハローワークは私どもの会社では非常に信頼性があります。直近の雇用についても、ハローワークからの雇用が3件あります。

    良い人材を確保するための採用戦略

    では、良い人材を確保するためには、どのような媒体を使ってどのように自社の魅力を打ち出していけば良いでしょうか。求人をかけると1週間で5件以上の応募がある当社では、この点において鉄板の動線設計があります。それは、

    求人媒体の選定→求人票のブラッシュアップ→SNSへの誘導→Webサイトへの誘導→応募

    という流れです。

    まず求人媒体の選定では、当社はハローワークとIndeedをメインとして登録しています。前者は質の確保、後者は量の確保です。直近の採用では、前者から2名応募があって1名採用、後者から5名の応募があって0名の採用、でした。求人媒体は多ければ多いほど露出が増えるためメリットはありますが、その分だけ管理も大変であるため、まずはハローワークとIndeedから始めるのが良いでしょう。

    次に求人票のブラッシュアップでは、自社の特異性(他社との違い)を徹底的に訴求しています。例えば当社では、ミッション「世の中にあるギャップを無くそう」、社内の取り組みで最も重視する「学びと成長」、働く環境で他社にはない「親子出社制度」など、自社の特性を打ち出すことで「この会社は他社と違う」「自分もこういう会社で働いてみたい」という求職者のニーズに訴えています。

    次にSNSへの誘導です。当社では求人票にURLを記載してInstagramに誘導していますが、そこでは自社で働く人たちの様子や社内での取り組みを多く掲載しています。つまり、言葉だけでは伝えられない「安心感」や「信頼感」をInstagramで訴求しています。実はこのSNSが非常に大事な要素であり、採用でうまくいかない企業の多くがSNSで「安心感」や「信頼感」を訴求できずにいます。

    最後にWebサイトへの誘導です。この会社がどういう会社なのか、自分が働くことになったらどのようなキャリアを描けるか、などの疑問に答えるためのコンテンツを用意します。多くの企業さんでは採用ページが該当しますが、会社概要のページでも構いません。要は、会社として何を大事にしており、どのような方向に向かい、そして会社で働く人たちがどうなっていくかがイメージできるようであれば、代表メッセージだけでも十分に伝えられます。

    まずは自社の現状を「見える化」しましょう

    採用戦略を策定するにあたり、まずはじめに取り組んでいただきたいのは「自社の見える化」です。現状をありのままに見える化することで、理想の姿とのギャップが明確になり、何をどのようにすれば良いかが分かるようになります。

    例えば、採用を急いでいるのに応募がない場合、自社の魅力をしっかり伝えきれていないか、または自社の特異性が無いからかもしれません。そうなると先に取り組むべきは、採用施策よりも今自社で働いている従業員に向けた施策かもしれません。

    人材確保にあたり、私が一貫してお伝えしているのは「採用だけ見ている会社はうまくいかない」です。採用をうまく進めていくためには、育成や定着の取り組みも重要です。これらが揃ってはじめて自社の特異性が生まれ、他社との違いを打ち出せるようになります。

    そのためにも、まずは見える化から取り組んでみてください。そしてできれば、見える化した後に採用戦略だけでなく、自社の経営戦略に紐づいた「人材戦略」を作っていきましょう。それが人材確保を有利にする「人的資本経営」の第一歩となります。

     

    当社は人的資本経営のご支援実績が豊富なだけでなく、自社でも人的資本経営に取り組んでいます。人材戦略から採用・育成・定着の施策実行まで一貫してご支援を行い、自社の人材方針である「人的資本開示レポート」の作成も支援しております。

    人材で悩んだら、まずはご相談ください。貴社の現状をヒアリングさせていただき、画一的なご提案ではなく個別具体的な「実効性のある」ご提案をさせていただきます。

    ご相談はこちら

  • 本当に伝わる「報連相」とは?― 今すぐ実践できるたった2つのポイント ―

    本当に伝わる「報連相」とは?― 今すぐ実践できるたった2つのポイント ―

    ビジネスシーンで頻繁に耳にする「報連相」。
    これは、「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとった用語で、社会人として基本中の基本とも言えるスキルです。
    しかし、単に「報告しました」「連絡します」「相談があります」と形式的に行うだけでは、相手に本当に伝わる報連相とは言えません。
    では、どのようにすればより効果的に、相手に伝わる報連相ができるのでしょうか?
    その答えは、「結論を先に伝えること」と「相手の手間を省くこと」の2つ。

    このポイントを意識するだけで、驚くほど伝わりやすい「報連相」になります。
    本コラムでは、この2つのポイントについて具体的に解説します。

    結論を先に伝える

    報連相で最も重要なポイントの一つが、「結論を先に伝える」ということです。
    多くの人が、報告や相談の場で状況や経緯を細かく説明しすぎてしまい、肝心の結論が後回しになるケースがあります。
    しかし、これでは相手が要点を把握するのに時間がかかり、結果的に効率が悪くなってしまいます。

    たとえば、次のような状況を考えてみてください。

    《悪い例》
    「昨日のクライアントとの会議で、新しい提案についていくつか意見が出ました。その中で予算について質問があり、資料を確認したところ問題点がいくつか見つかりました。それで、追加の資料を提出する必要があると考えています。」

    《良い例》
    「追加資料の提出が必要です。昨日のクライアントとの会議で予算に関する質問があり、資料に問題があることが判明しました。詳細を以下に説明します。」

    このように、結論を先に伝えることで、相手が話の要点を瞬時に理解できます。
    結論が最初に明示されていると、相手は次に何をすれば良いかを考えながら話を聞けるため、非常に効率的です。
    結論を先に伝えるには、話す前に要点を整理しておくことが重要です。
    具体的には、「何を伝えたいのか」「相手にどのような行動を求めているのか」を明確にしておくと良いでしょう。
    事前にメモを用意しておくなどして、自分の中で話す順序を組み立てておくことも効果的です。

    相手の手間を省く

    もう一つの重要なポイントは、「相手の手間を省く」ということです。
    報連相は一方通行ではなく、相手がそれを受けて行動する必要がある場合がほとんどです。
    そのため、相手が次の行動にスムーズに移れるよう、伝え方を工夫することも必要です。

    相手の手間を省くためには、次のような工夫が考えられます。

    ◆具体的な提案を含める
    単なる状況報告ではなく、「このように対応するのが良いのではないか」と具体的な解決策や提案を添える。

    ◆資料や情報を整理しておく
    報告に必要な資料をあらかじめ添付したり、関連リンクを共有したりして、相手が確認作業を簡単にできるようにする。

    ◆簡潔にまとめる
    長々とした説明は相手の時間を奪います。
    簡潔に話しつつも、必要な情報は漏れなく伝えるよう意識しましょう。

    上記を頭に入れ、たとえば次のようなシーンを考えてみましょう。

    《悪い例》
    「商品の在庫が不足しています。どうすれば良いですか?」

    《良い例》
    「商品の在庫が不足しています。追加発注が必要ですが、予算は現状で問題ありません。発注手続きを進めて良いでしょうか?」

    良い例では、状況報告だけでなく、次にどうするべきかを明確に提案しています。
    予算に問題がないことも事前に調査済みで、相手が再度調べるという手間も減らすことができています。
    これにより、報告を受けた相手がすぐに次の行動に移すことが可能になります。

    日々の小さな工夫から始めよう

    報連相の改善は、一朝一夕で完璧にできるものではありません。
    しかし、「結論を先に伝える」「相手の手間を省く」という2つのポイントを意識するだけで、相手への伝わりやすさが大きく変わります。
    特にメールやチャットなど、日常的に行うコミュニケーションからこの意識を取り入れてみてください。
    まずは、「結論先行で伝える」ことだけでも実践してみましょう。
    それだけでも、相手にとって劇的にわかりやすい報連相になります。
    そして、次第に相手目線を意識した工夫を加えることで、さらに効果的な報連相が可能になります。
    報連相がスムーズに行えるようになると、業務全体の効率が向上し、チームの信頼関係も強化されます。
    ぜひ、今日から取り組んでみてください。

    弊社では、ビジネスマナーをはじめとした社内研修も承っております。
    ぜひお気軽にご相談ください。

  • 「問いかけ」で考える力を伸ばす!-人材育成で大切な”教え方”のコツ-

    「問いかけ」で考える力を伸ばす!-人材育成で大切な”教え方”のコツ-

    ビジネスシーンのなかで、人に「教える」という場面は数多くあるかと思います。

    ・新入社員が入社してきたとき
    ・部下に指導をするとき
    ・仕事の引継ぎをするとき

    そのような場面に遭遇したときに、自分の知識や経験を思うように伝えることができなかったり、相手に理解してもらうことができず、「自分の教え方が悪いのではないか」と思い悩んでしまうことはありませんか?
    そんなときに、実践してみてほしいのが「問いかける」ということです。

    問いかけの方法

    教えるという行為は、単にあなたが持つ知識や技術を伝えるだけではありません。
    効果的な教え方とは、相手の思考を引き出し、主体的に学びを深める手助けをすることを言います。
    問いかけを活用することで、教えられる側は自分自身で考え、答えを導き出す経験を得ることができ、一方的にただ伝える教え方よりも、自分ごととして深く刻まれ記憶にも残りやすくなるというメリットもあります。
    そんな問いかけの方法には大きく分けて2つの種類があります。
    それが「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」です。

    オープンクエスチョン

    オープンクエスチョンとは、答えが限定されず、相手に自由に回答してもらうような質問のことを指します。
    5W1Hを使用した質問などが挙げられます。
    例えば、「なぜこれをやっていると思いますか?」「この問題を解決するためには何が必要だと思いますか?」といったものです。
    これは相手の自発的な考え方を促す効果があり、回答の制限がないため相手が感じたことや思ったことを自由に話すことができるというメリットがあります。
    制限がないため、思いもよらなかったアイデアや答えが出てくることもあります。

    クローズドクエスチョン

    一方、クローズドクエスチョンは、YESかNOや、いくつかある選択肢のなかから選んで答えられる質問のことです。
    これは相手にスムーズに答えを出してもらいたいときに使用されます。
    例えば「AかBならどちらの案が良いですか?」というような形で、回答の方向性を示すような質問を指します。
    相手が問いかけに答えられないレベルの場合、クローズドクエスチョンである程度選択肢を与え、答えに誘導するといったことも効果的です。

    人材育成における「問いかけ」

    以上をふまえ、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンは、相手の状況やレベルに応じて使い分けることが重要になります。
    どちらの場合においても、単純に質問をするのではなく、「問いかける」ことにより、相手自身の考える力を導き出し、問題の本質に気付かせることがポイントです。

    問いかけの活用で見えてくる変化

    問いかけを中心とした人材育成を実践することで、組織は大きく変わっていきます。
    それは、相手に自分の意思や考えを表現させると、問題を自分事として捉える背景が生まれ、これにより、自発的に考え行動ができるようになり、組織全体の生産性の向上や効率化が期待できます。
    問いかけを日頃から意識している組織は、問題に直面した際にそれを解決するために、自分たちで考え答えを導き出すことができます。
    個人の成長のみならず、組織全体の成長を促す大きな要因にもなるのです。

    まとめ

    「問いかける」ことの大きな目的は、自分自身で答えを導き出し、本質への「気づき」に相手の意識をもっていくことにあります。
    教え方に困ったときは、まず「問いかけ」からはじめてみましょう。

    弊社では、自社で実践したノウハウをもとに、人材育成の支援も行っております。
    お悩みの方はぜひ一度お気軽にご相談ください。

  • 補助金・助成金をうまく活用するための第1歩! ―成功のカギは情報収集にあり―

    補助金・助成金をうまく活用するための第1歩! ―成功のカギは情報収集にあり―

    補助金や助成金は、企業や個人事業主にとって非常に重要な資金調達の手段です。
    しかし、その種類や条件は多岐にわたるため、自社に適したものを見つけるには、まず情報収集をすることが不可欠となります。
    本記事では、補助金・助成金を活用するための第一歩として、効率的に情報を収集するための方法を3つご紹介します。

    1.国や自治体の公式ホームページを活用する

    補助金や助成金に関する情報は、国や自治体の公式ホームページで公開されています。
    これらのサイトは情報源として最も信頼性が高く、最新の情報が掲載されています。
    情報はどんどん更新されていくので、定期的にチェックする習慣をつけましょう。
    また、サイト内検索を活用して、具体的なキーワードで情報を探してみましょう。

     《国のホームページ》
     ┗中小企業庁や厚生労働省など、各省庁のサイトでは、対象業種や事業内容ごとに補助金や助成金がまとめられています。
     《自治体のホームページ》
     ┗地域限定の補助金や助成金の情報が多く掲載されています。
      長野県独自の補助金や助成金も多くありますので、ぜひ検索してみてください。
      特に地方創生や移住促進を目的とした助成金は、自治体独自の条件や支援内容が含まれることがあります。

    2.商工会議所に問い合わせる

    商工会議所は、地域の中小企業を支援するための組織であり、補助金や助成金に関する情報提供も行っています。
    会員でなくても相談できる場合が多く、地域の特性に合った助成金を紹介してもらえることがあります。
    特に初めて補助金や助成金を利用する場合、申請手続きに関するアドバイスを得られるため、非常に有効な情報源となります。
    定期的に開催されるセミナーや説明会に参加したり、専門家に直接相談し、自社に合った補助金の提案を受けることもできます。


    3. 専門のポータルサイトを活用する

    補助金や助成金に関する情報を一元的に確認できるポータルサイトも非常に便利です。
    以下の2つのサイトを活用することで、効率的に情報を収集できます。

    ・ミラサポPlus
    中小企業や小規模事業者を対象としたポータルサイト。
    補助金情報だけでなく、経営に役立つコラムや支援事例も豊富に掲載されています。
    https://mirasapo-plus.go.jp/

    ・J-Net21
    独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するサイトで、全国の補助金情報や事業計画策定に役立つツールが揃っています。
    取り組み事例に関する紹介記事もありますので、そちらもぜひ参考になさってください。
    https://j-net21.smrj.go.jp/


    困ったときは専門家に相談を

    上記のような方法を活用して情報収集にあたっても、適切な補助金が見つからなかったり、申請手続きが難しいと感じた場合は、専門家に相談するのも一つの手段です。
    補助金申請に詳しい専門家やコンサルティング会社は、自社に合った補助金情報の提供から申請手続きのサポートまで行ってくれます。

    《専門家のサポート内容例》
    ・自社の事業内容に適した補助金の提案。
    ・申請書類の作成や提出の支援。
    ・採択後の報告義務に関するフォローアップ。

    特に、補助金の申請では事業計画書の提出が必要となりますが、この事業計画書の作成が非常に高いハードルと感じてしまう人も多いかと思います。
    コンサルティング会社では、こうした事業計画書の作成や、資金計画や経営計画の相談なども受け付けています。
    費用が発生する場合もありますが、申請が成功すれば得られる利益は非常に大きいため、検討する価値が十分にあります。

    まとめ

    補助金や助成金を活用するためには、まず自社の事業内容やニーズに合ったものを見つけることが重要です。
    さらに、自力での情報収集に限界を感じた場合は、専門家の力を借りることも検討してみましょう。
    これらの方法を駆使して、事業の成長につながる補助金や助成金を見つけてみてください。

    私たちは補助金申請支援はもちろんのこと、地域中小企業の皆さまの経営課題・人材課題を解決するコンサルティングファームですので、お気軽にお問い合わせください。

  • なぜ若手人材の採用は難しいのか? ― 採用につながる4つのポイントを解説! ―

    なぜ若手人材の採用は難しいのか? ― 採用につながる4つのポイントを解説! ―

    近年、若手人材の採用はますます難しくなり、その競争は激化の一途をたどっています。
    特に地方はその影響を顕著に受けており、長野県も例外ではありません。
    本コラムでは、若手採用における現状や根本的な原因を解説し、それらを踏まえたうえで採用を成功させるための4つのポイントを解説していきます。

    若手人材をめぐる背景

    では、若手人材の採用を難しくさせている背景にはどういったものがあるのでしょうか?
    それには、主に3つの要因が関係しています。

    1)若者人口が減少している
    若手人材が採用難となっている要因としてまず挙げられるのが、若者の人口そのものが減少していることです。
    労働力人口は年々減少しており、総務省統計局が発表した労働力調査によると、25~34歳の労働人口は2013年時点で1239万人でしたが、2023年には1156万人まで減少しています。

    ※出典:「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要」

    これは少子化の影響が大きく、今後もこの傾向は続くと予想されています。
    これに加え、長野県などの地方自治体では、少子高齢化と若者の都市部への流出も影響し、地元企業の人材確保が一層厳しくなっているのです。

    2)若者の仕事観の変化
    若者の仕事観や価値観が変化していることも、採用の難しさを加速させています。
    かつては「安定」や「終身雇用」が重要視されていた時代がありましたが、現在の若者たちは、仕事に対してより柔軟で自由な働き方を求める傾向があります。
    ワークライフバランスやフレックスタイム制度などの柔軟な働き方、リモートワークの導入など、新しい働き方が求められるようになり、仕事への「やりがい」や「自己成長」の機会を重視し、企業文化やチームワークにも敏感です。
    さらに、企業の社会的な影響力やSDGs(持続可能な開発目標)に対する取り組みも、若手採用の決め手となることが多くなってきています。
    このような変化に対応できない企業は、若者にとって魅力的な職場と映らなくなり、より採用を難しくさせているのです。

    3)企業側のリソース不足
    若手人材の採用が難しいもう1つの大きな要因は、企業側の採用リソースの不足です。
    特に中小企業では、採用担当者が少なく、限られた予算の中で採用活動を行わなければならないため、どうしても手間がかかり、採用活動が後回しになりがちです。
    面接や選考プロセスの設計、応募者への対応など、採用活動には多くの時間とコストが必要とされ、企業側にとっても大きな負担となります。
    また、大企業のように広告宣伝に多額の費用をかけることができるわけではないため、効果的な採用活動を行うことが難しいのが現状です。

    若手人材獲得のための戦略

    こうした背景のなか、企業は限られた数の若手人材を確保するために他社との競合に打ち勝たなければなりません。
    さらには、こうした採用の売り手市場のなかでは、企業側も優秀な人材に選ばれるための戦略が求められるのです。
    では、企業側はどのようにして採用活動を進めていけばよいのでしょうか?
    ここからは、採用につながる4つのポイントを具体的に解説していきます。

    1) 自社の魅力を積極的に発信する
    まず重要なのは、自社の魅力を積極的に発信することです。
    若手人材は、企業の情報をSNSやインターネットを通じて得ることが一般的です。
    企業は、自社の社風や福利厚生、社員の活躍事例など、企業の魅力をあらゆる媒体で発信する必要があります。
    例えば、社員インタビューや企業のビジョンを共有することで、若手人材に対して企業の価値観や働きやすさを伝えることができます。
    これらは入社後のギャップによる早期離職を防ぐメリットにもなります。

    2) 新卒と中途で採用フローを変える
    「若手採用」と一言で言っても、新卒採用と中途採用では求められるスキルや経験が異なるため、採用フローを適切に分けることが重要です。
    新卒は基本的にポテンシャルを重視した採用となりますが、中途採用は即戦力となる人材を求めることが多いです。
    したがって、それぞれのターゲットに合わせた選考プロセスを設計し、効率的かつ効果的に人材を選抜することが求められます。

    3) 働きやすい環境を整える
    働きやすい環境を提供することも、若手採用には欠かせません。
    柔軟な働き方を導入し、職場環境を改善することで、求職者にとって魅力的な企業となることができます。
    リモートワークの導入や、フレックスタイム制度、長期休暇制度などの柔軟な働き方を提供することで、若者のニーズに応えましょう。

    4) 若手採用に合った手法を採用する
    若手採用においては、SNSを活用した採用活動やインターンシップの導入が効果的です。
    若者はSNSやオンラインの情報源を活用するため、SNSを使った求人情報の発信は非常に有効な方法であると言えるでしょう。
    また、インターンシップや職場体験を通じて、企業と学生が実際に触れ合う機会を提供することも、若手人材の関心を引きやすくなります。

    選ばれる企業になるために

    若手人材の採用が難しくなっている背景には、人口減少や価値観の変化、企業側のリソース不足などがさまざまな要因が挙げられます。
    しかし、採用フローの最適化や、働きやすい環境の提供、さらには自社の魅力を発信していくことで、競争を勝ち抜くことは可能です。
    これらのポイントを実行することで、企業は選ばれる存在となり、優秀な若手人材を確保することができるでしょう。

    弊社では、そんな人材課題にお困りの企業の皆様へ、採用・育成・定着のお悩みをワンストップでご支援するサービスをご提供しております。
    自社で実践しているノウハウをもとに、長野県で数多くの実績を積んだ専門家が貴社の人材課題を見える化します。
    無料相談も受け付けておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

  • 管理職を育てるには? 現場スキルとは異なる「マネジメントスキル」の育て方

    管理職を育てるには? 現場スキルとは異なる「マネジメントスキル」の育て方

    プレイングマネージャーから脱却するために必要な力とは?

    企業において、管理職は組織の成長を支える重要なポジションです。しかし、現場での仕事が得意であるからといって、必ずしも管理職として成功するわけではありません。

    多くの企業が抱える課題の一つに、「現場力が高い社員が管理職に昇進しても、マネジメント力が十分に発揮できない」という問題があります。では、管理職として求められる「マネジメント力」とは何なのでしょうか? そして、どのようにしてその力を育てることができるのでしょうか?

    本コラムでは、管理職に必要な力を伸ばすための方法を詳しく解説します。

    マネージャーの仕事とは

    プレイヤーとマネージャーで、大きく異なるのは何でしょうか?

    単純に考えると、最も異なるのは「自分で仕事をするか」「組織で仕事を回すか」という部分です。そう考えると、自分で現場仕事にどっぷり浸かっているマネージャーは、マネージャーの仕事を行っていないということになります。

    しかし、そういったプレイングマネージャーにも言い分があります。それは「現場が忙しく、任せられる人もいないから自分がプレイヤーにならざるを得ない」という言葉です。これは一見すると納得できそうな理由ですが、実はとんでもない論理であることが分かります。

    現場力とマネジメント力の違い

    現場力とは、現場での実務能力や問題解決力、専門知識のことを指します。優れた現場力を持つ社員は、自ら手を動かして仕事を進めることが得意で、成果を上げることができます。しかし、管理職にはそれとは異なるスキルセットが求められます。

    マネジメント力とは、「組織やチームの状態を良好に保つ力」のことです。具体的には、以下の要素が含まれます。

    人間力

    部下との信頼関係を築き、相手の意欲を引き出すために必要な「人から尊敬される力」

    思考力

    物事を俯瞰的に捉え、長期的な視点で課題を解決するために必要な「物事の本質を見極める力」

    リーダーシップ

    チームをまとめ、目標に向かっていくための推進力として必要な「主体的な行動につなげる力」

     

    いかがでしょう? 現場力が高いだけでは、これらの要素を十分に発揮することは難しいですよね。それもそのはず、現場力とマネジメント力は全く異なるものだからです。

    この前提を無視して現場力の高い人にマネージャーをやらせると、例えば自動車の運転が上手い人に対して、「自動車の運転が上手いから来月から飛行機を運転してね」と言うようなものです。

    管理職が育たない理由

    ではなぜ多くの企業では、マネジメント力に課題を抱えたままプレイングマネージャーが仕事に忙殺されているのでしょうか。

    管理職が育たない一番の理由は、企業がマネジメント力を育成する仕組みを整えていないことです。多くの企業では、現場で成果を上げた社員をそのまま管理職に昇進させるケースが多いですが、上記の通り現場の仕事と管理職の仕事は本質的に異なります。

    現場では、スピード感を持って課題を解決することが求められますが、管理職の仕事は、チーム全体の動きを俯瞰して、長期的な成果を上げるための環境を整えることが中心です。このため、管理職に必要なスキルを計画的に育成しなければ、マネジメント力が高まることはありません。

    マネジメント力を高めるための育成方法

    では、具体的にどのようにしてマネジメント力を高めることができるのでしょうか? ここでは、3つの要素に分けて考えてみましょう。

    1. 人間力を高める

    人間力を高めるためには、部下との信頼関係を築くコミュニケーション能力が必要です。具体的には、以下の取り組みが有効です。

    • 信念・価値観の醸成:会社の理念・ビジョンの浸透だけでなく、その人自身がどんな価値観を持っているか、どんな将来を描いてどんな判断基準で物事を判断するか。全社でワークセッションのような形で行うと効果的です。
    • 自己受容の浸透:自身の強みや弱み、思考や行動のクセなどを見える化し、現在の自分を客観視しながら「得意を伸ばして苦手を解消する」ことを行います。これもワークセッションで自身の見える化を行うと、マネジメントに必要な客観的視点を養うことができます。
    • 他者貢献の理解:自分のために行動するのではなく、周りのために行動する。そうすることが必然的に自分のためにもなるということを、対話を通じて理解していくことが重要です。そのための第一歩として、自分の強みや得意を活かして周りにどのような貢献ができるのかを考えてみると良いです。

    2. 思考力を高める

    思考力を高めるためには、実践方法を理解した上で日々の業務で考えることが大切です。これには、以下の方法が役立ちます。

    • 質問・傾聴:質問と傾聴に難がある人は、総じて思考力の浅い方が多いです。相手の話をしっかりと聞き、その中で本質を捉えながら質問する技術を養うには、「相手に答えを言わず、まず考えてもらう」ことを意識すると効果的です。
    • 論理的思考:論理的思考に関する本は山ほど出ていますが、それにも関わらず日本人は論理的思考が弱いと言われます。これには日本語特有の「結論後回し」が大きく影響していますので、まずは結論から何でも話し、その後に理由や具体的な内容を付け加えると良いでしょう。
    • 仮説思考:仮説思考とは、先にゴールを設定した上でそのゴールに至るまでの道筋を描く思考法です。目標からの逆算とも言われます。仮説思考を養うには、大きなゴールを設定した後に小さなゴールを設定させてみましょう。例えば月間目標が1000万円の売上でであれば、毎週何件訪問し、何件のアポを取って何件商談につなげ、何件の受注があれば良いか、などです。
    • 利益思考:思考力の最後は利益思考です。マネジメントに必要な視点として、「組織の利益につながる動き」ができているかどうかがとても重要です。そのためにまずは「時間」で判断させる習慣をつけると良いでしょう。この仕事はこのぐらいの時間がかかったから、売上にはつながったがコスト面で圧迫され利益が減少した、などです。

    3. リーダーシップを高める

    リーダーシップを高めるためには、チームの方向性を示し、メンバーを巻き込む力が必要です。具体的には、以下の取り組みが効果的です。

    • 目標設定:リーダーシップで何よりも重要なのが、チームの目標と個人の目標を設定する力です。、全員が同じ方向を向くようにするには、チームと個人の目標がそれぞれ密接に関連し、かつ目標達成した際にチームも個人も大きく成長できることが大事です。
    • 維持管理:維持管理とは、組織の良い状態を維持するために管理を行うことです。通常の管理ではなく、数値目標が達成できなかった際にも前向きな改善策を本人と一緒に検討するなど、より踏み込んだ管理を行うことが必要です。
    • モチベーション:モチベーションは無理に高めるものではなく、高い状態を一定に保つことが大事です。そのために重要なのが、Googleが提唱した「心理的安全性」です。心理的安全性の高い空間を作るためには、共通の価値観や前向きなルールの設定などが求められます。

    マネジメント力を高めることで得られる効果

    マネジメント力を高めることで、管理職としての能力が劇的に向上するほか、組織にも大きな変化が現れます。具体的には、以下のような効果が期待できます。

    • チームメンバーの成長:マネージャーのマネジメント力が高まることで、チームメンバーは大きく成長します。これは従来の「見て覚えろ」的なマネジメントから、「何をどうすれば自分が良くなるか」を考えさせるマネジメントに転換するためであります。
    • チームの生産性向上:チームメンバーが成長することで、マネージャーの仕事からプレイヤーの仕事が離れていき、マネジメントに集中できることで組織全体の動きがスムーズになります。これにより組織の成果が最大化され、生産性が大きく高まります。
    • 離職率の低下:チーム内で信頼関係が深まることで、メンバーのエンゲージメントが高まり、離職率を低下させることができます。実際にマネージャーのマネジメント力と離職率の相関性は、様々な研究で立証されています。

    マネジメント力の向上には継続的な育成が必要

    管理職・マネージャーを育てるためには、現場力だけでなく、マネジメント力を高める育成が不可欠です。そしてマネジメント力を高めるには、いわゆる「総合力」と言われる人間力、思考力、リーダーシップという3つの要素をバランスよく伸ばすことが大事です。

    しかし日々の業務に追われている現状では、なかなかマネジメント力の育成を行うことができません。そのような場合には、外部の専門家に依頼するのが良いでしょう。

    マネジメント力の向上には、継続的な育成体制が必要です。現場力と違って成果が見えにくい能力であるからこそ、常に育成を継続する体制が望まれます。

    戦略デザインラボでは、管理職・マネージャーのマネジメント力はもちろんのこと、組織全体のマネジメント力を高めるための総合力研修・メンター伴走型の人材育成・オンライン育成を実施しております。

    実際に当社社内でも総合力による人材育成を行っており、その成果や課題を受けて常にブラッシュアップを続けながら企業の皆さまにご提供しております。大手の人材育成会社では難しい「課題感や規模感に寄り添った研修・育成」を最も得意としております。

    組織のマネジメント力にお困りの際は、まず当社へお気軽にご相談ください。組織が劇的に変わり、利益体質への転換が可能となった支援実績等をもとに、貴社課題感に寄り添ったご相談対応をお約束いたします。

  • 中小企業の組織管理に必要な6つのポイント

    中小企業の組織管理に必要な6つのポイント

    中小企業における組織管理は、事業の成長と競争力向上に不可欠です。

    組織管理を適切に行うことで、効率的な業務遂行やスムーズなコミュニケーションが可能になります。

    以下に、中小企業の組織管理に必要な6つのポイントを具体的に紹介します。

    1.組織構造の最適化

    組織構造を適切に設計することは、組織管理の基本です。

    中小企業は、フラットな組織構造を採用することで、迅速な意思決定や柔軟な対応が可能になります。

    また、組織構造を定期的に見直すことで、業務の変化や成長に適応させることが重要です。

    2.明確な役割分担と責任

    組織管理において、明確な役割分担と責任の所在を確立することが重要です。

    社員が自分の役割と責任を理解し、目標に対して取り組むことができる環境を整えましょう。

    また、役割分担を定期的に見直し、業務の効率化を図ることが求められます。

    3.コミュニケーションの促進

    組織管理において、円滑なコミュニケーションは必須です。

    定期的なミーティングや情報共有ツールの導入により、組織内での情報共有を効果的に行いましょう。

    また、上層部と現場の意見交換を積極的に行うことで、柔軟で迅速な意思決定を促進できます。

    4.社員のモチベーション向上

    組織管理の目的の一つは、社員のモチベーション向上です。

    適切な評価制度や報酬制度を導入し、社員が成果に応じた評価を受けられるようにしましょう。

    また、キャリアアップの機会を提供し、社員の成長をサポートすることが重要です。

    5.社内研修や教育の充実

    社員のスキル向上や知識習得は、組織管理において重要なポイントです。

    中小企業は、定期的な研修や教育プログラムを提供し、社員の成長を促進させましょう。

    さらに、社員間での知識共有やスキルの伝承を促すことで、組織全体の知識とスキルが向上します。

    6.ワークライフバランスの推進

    働きやすい環境を整えることは、組織管理において欠かせません。

    中小企業は、柔軟な勤務体系やリモートワーク制度を導入することで、社員のワークライフバランスをサポートしましょう。

    また、メンタルヘルス対策や健康管理の取り組みを行うことで、社員の働きやすさを向上させることができます。

    まとめ

    中小企業の組織管理に必要なポイントは、①組織構造の最適化、②明確な役割分担と責任、③コミュニケーションの促進、④社員のモチベーション向上、⑤社内研修や教育の充実、⑥ワークライフバランスの推進です。

    これらのポイントを取り入れることで、効果的な組織管理が実現し、中小企業の成長に繋がります。

    組織管理は継続的な取り組みが求められるため、定期的に見直しを行い、改善に努めることが大切です。